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「ゆれる」 [邦画]

まず、手元に資料がまったくないので、記憶と感想が頼りです。

手に取ったきっかけは、(なんでそのコピーだったのかよくわかりませんが)「本年度邦画NO.1」とのことだったからだと思います。何かの雑誌で、主演のオダギリジョーさんが、「監督の才能に嫉妬する」と書いてあったのも覚えていました。

「ゆれる」の監督は女性の方です。

全編を通して感じられる繊細な空気と、絶妙な間、演出の妙ですよね。正直僕なんかには、女性と男性監督の違いなんて観てもわかりませんが、オダジョーの役の少し女性的なフェロモンを感じる演出は、女性ならではのものなんでしょうか?

僕には弟がいます。
この主人公兄弟に自分たちを重ねて見ていたことも、少なからずこの映画を好きになった理由かとも思います。

物語は、どこにでもいるような、家を継がねばならなかった長男と、自由奔放に生き、社会的地位も手に入れた弟の、狂おしいほどに人間としての感情を揺らしながらも、お互いを「確認」するという物語です。

ある事件をきっかけに、長男が壊れていく姿を見て動揺する弟。揺れる兄への感情。知ったつもりの兄が、変貌を遂げていく。いつの間にかその動揺は「疑念」にかわり、彼はある決断を下す・・・・。

その揺れ動く感情を、まさに地と演出により見事に演じきったオダジョーに拍手!
淡々とした演技はまさに彼の真骨頂でしょうか。
前半に張られた伏線が、ラストで明らかになるシーンは涙なしでは見られません。

そして、この映画を「邦画NO.1」と言わしめる最大の理由は、兄役の香川照之さんの怪演によるものといっても過言ではありません。僕は見ながら「これでアカデミーノミネートもなかったら、アカデミーやる意味なんてない」と思ったくらいです。

常識人の兄が、事件をきっかけに感情を開放、その人間臭さからは、観た誰もが「もしかしたら自分もこうなるかもしれない」という恐怖さえ感じるはずです。

揺れていく弟と対照的に、解放されていく兄。
2人の演技に乾杯(完敗?)です。
脚本も素晴らしいですけどね、目が離せない展開にトイレに行く暇もありませんよ?

それと、最近ブレイクした真木よう子さんが、非常にエロっぽい演技込で出演してます。あのバタ臭さは今からは想像も出来ませんね。

兄弟がいる方には是非一度ご覧頂きたい名作です[わーい(嬉しい顔)]





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